龍騎放映終了後、約1年半の歳月を経て、装着変身シリーズ「龍騎」と「シザース」が発売された。特にシザースは、R&Mシリーズですら立体化されなかったマイナーライダー。まさに奇跡の商品化である。
 今回の新生・装着変身シリーズ、R&Mと同サイズであるが、各部アーマーパーツ脱着可能というギミックに加え、足回りを中心に関節部も改善が加えられている。そこで、関節やモールドなどの各部を比較検証してみた(比較写真はすべて左側がR&M、右側が装着変身)。

装着変身データ
● ボックス入り可動式フィギュア、対象年齢/15歳以上
● フィギュア/全高約13センチ
● 付属品/各部アーマー、武器等
● 販売/バンダイ(公式サイト)

頭部/R&Mの頭部は食玩ヘッドと交換済のため、両者の純粋比較はできなかった。ただ、装着ヘッドは中に人間の顔を格納する関係なのか、気持ち大きめ。龍騎の顔の造形そのものは、例によってさっぱり似ていない。胸部アーマー/装着のウリである脱着可能な金属製のアーマー。重量感はあるのだが、見ての通り脇下の蝶番が目立つ欠点あり。真正面から見ない限りそれほど気にならないのだが、この蝶番のせいで腕の可動範囲が制限されてしまっている。「気をつけ」のポーズができない。

肩アーマー/(写真左)一般にゴツイ肩アーマーは見てくれはいいが、肩可動の障害になる場合が多い。シザースの場合も普通ならそうなるところ、肩にアーマー用の接合部を一つ追加し、アーマーが可動の妨げにならなよう工夫が凝らされている。肩アーマーが肩そのものから独立している動くため、肩の動きを制約しない。ライアやガイなどゴツイ肩アーマーを被っているヤツが多いので、この機能は大変嬉しい。バイザー/(写真右)シザースに限って、バイザーが開閉、付属のアドベントカードを内部にベントインすることができる。劇中シーン再現ギミックとして楽しい。ただし、龍騎に同様の機能はなく、今後のライダーたちに採用される可能性は低そうだ。

腕部アーマー/この商品の最大の不満点。アーマー脱着機能を優先したせいか、腕の内側にかかるアーマーのモールドが省略されてしまった。実は先行品のファイズやカイザは脱着機能をオミットする代わりに、裏も表もキチンとモールドされている。なぜ同じ仕様にしなかったのか。他ライダーへの流用を念頭に置いたとしても(R&Mがそうであったように)ファイズ方式で何の問題もなかったはず。設計上の重大な瑕疵と言わざるを得ない。

股/龍騎の全身像で比較。装着よりR&Mのほうがダイナミックに足を開いていることが分かると思う。足の付け根の関節の形状が違うせいなのだが、R&Mのほうが可動範囲が広い。後発なのに退化しているとは・・・。特に龍騎はキメのポーズで大股を開く男なので、この退化は残念。

膝/(写真上)R&Mに比べ、もっとも改善された部分。二重関節が採用され、ここまで曲がるようになった。まだ発売されるかどうか分からないが、インペラーのファイナルベントポーズがよりキマるようになるだろう。足首/(写真下)合金製のボールジョイントを採用、さらに軸自体が長めに設計されたため、可動範囲が格段に広がっている。R&Mよりはるかに優れた接地性の良さ。多少無理あるポーズをとらせても、しっかり自立してくれる。
 脚部可動の優劣についてまとめると、@股はR&M。A膝下以下は装着変身。となる。実は、いいとこどりにしようとR&Mへ装着の膝下以下を移植しようと試みたが、太腿部の接合軸の形状が異なっているため単純には移植できないことが判明。残念ながら断念。

オプション/正規商品の嬉しい特典、それは豊富な武器・防具。龍騎、シザースとも一通りの武装が付属している。特にシザースの武装は、このサイズでは初の立体化といってよく、自作できなかったトウシロにとってこれほど嬉しいことはない。早速、自作R&Mに装備させてみた。ただし、シザースピンチ、なぜ裏側のモールドを省略してしまったのか・・・。ポーズによってはスカスカの裏側が丸見えになり、カッコ悪いことこの上ない。もう少し頑張ってほしかったところ。
 また、上述のとおりフィギュアと同スケールのアドベントカードが3種類付属。


―まとめ―
 R&Mと装着変身。全体としてみると一長一短で、どちらも良いところ、悪いところがあるといった印象。2つ合わせるとベストのものになるのではないかと詮無いことを思ったり。
 ただ、この装着変身をながめていると、そのウリであるところのアーマー脱着機能がホントに必要なのか大いに疑問を感じてしまう。クウガやアギトのようにフォームチェンジをする連中ならいざしらず、モールドを犠牲にしてまで龍騎やファイズのアーマーを脱着させることにどれほどの意味があるのか? コストのかかりそうなアーマー別パーツ化などせずとも、R&Mのような可動人形で必要十分なのではないか? などと思いつつ、商品化されたことをとにかく感謝し、商品のアイデンティティを疑うような発言は控えるべきではないかとも思うので、不満は胸にしまって口外しないことにした。それがオトナの分別。